ベトナムの就労ビザ
経済成長が著しいベトナムは、日本人にとって人気の海外転職先のひとつです。ホーチミンやハノイなどの都市では、日系企業や外資系企業が積極的に進出しており、現地採用のチャンスも広がっています。
ただし、現地で報酬を得て働くには、「就労ビザ(LDビザ)」と「労働許可証(ワークパーミット)」の取得が必要です。観光や短期出張であればビザ免除で最大45日間滞在可能ですが、就労には正式な手続きが求められます。
LDビザ(労働ビザ)
ベトナムで働く外国人向けの基本的なビザで、以下の2種類があります:
LD1ビザ:労働許可証が免除される特定の専門職や管理職向け
LD2ビザ:労働許可証が必要な一般的な就労者向け
労働許可証(ワークパーミット)
取得条件(2025年現在)
対象:3か月を超える就労には必須
有効期間:最長2年、延長は1回のみ(最長2年)
申請時期:就労予定日の60日前〜10日前
審査期間:書類受理後10営業日以内
改定ポイント(政令219/2025/NĐ-CP)
専門家:学士以上+実務2年(優先分野は1年で可)
技術者:訓練1年以上+実務2年、または訓練なしで実務3年
管理職:3年以上の経験必須
免除対象の拡大:国家DX、科学技術、金融などの分野で免除枠追加
延長回数制限:1回のみ(最長2年)
必要書類
パスポートとビザのコピー(全ページ、公証推奨)
大学卒業証明書または職務経歴証明書(英語またはベトナム語訳)
健康診断書(政府指定病院、費用50〜100米ドル)
無犯罪証明書(日本で取得、約1か月)
証明写真(3×4cm、背景白)
※一部書類は、日本での公証・外務省認証・ベトナム大使館での領事認証が必要。
一時在留許可証(TRC)
対象:1年以上の滞在予定者
有効期間:2〜5年(労働許可証と同期間)
メリット:再入国時のビザ取得不要
最新動向:2025年、投資型TRC(ゴールデンビザ)制度を検討中
申請の注意点
書類不備や翻訳ミスで申請が遅れるケースが増加
無犯罪証明書や卒業証明書は取得に1か月以上かかるため、早めの準備が必須
企業によってはビザ・ワークパーミット取得をサポートする体制あり。雇用契約時に確認を推奨
制度の理解がキャリアの鍵に
ベトナムでの就職を目指すには、就労ビザと労働許可証の制度を正しく理解し、計画的に準備を進めることが不可欠です。特に2025年の制度改定により、専門性や経験年数の要件が明確化され、申請のハードルが変化しています。
語学力や専門性に加えて、現地の文化や職場環境への適応力が、長期的なキャリア形成において重要な要素となります。詳細な条件や申請手続きについては、駐日ベトナム大使館・領事館、ベトナム労働・傷病兵・社会問題省(MOLISA)などの公式情報をご確認ください。
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