今回はAuto Avenue Tokyoの伊藤社長にインタビューさせていただきました。

ホーチミン市内から車で約30分。ホーチミンの玄関口タンソンニャット国際空港からもほど近くに位置する日系中古車販売店Auto Avenue Tokyo。ベトナム国内で外資系初の中古車販売ライセンスを取得し、ベトナムのモータリゼーション到来を見越して設立されました。その進出に深く関わった同社社長の伊藤宏治さんにベトナムについてや今までの苦労をお聞きしました。

伊藤社長の今までの経歴について教えてください。

実家が大分県にあるのですが、大学進学から上京し新卒で貿易会社に就職しました。最初の1年間は営業企画部で財務・経理の仕事を行い、その後7年間で鉄鋼部で鋼材の輸出、原料部で製鋼原料やエネルギーの輸入等、様々な部門を経験しました。この新卒から8年間の経験は大変貴重で今でも自分の財産です。その後メルボルンに5年ほど駐在していました。メルボルンでの自身のポジションはジェネラルマネージャーで、駐在先全体の統括を任されました。また、具体的な仕事内容としては主に自動車会社向け鉄の輸出や、オーストラリアの資源会社から資源を買い取り、日本の鉄鋼会社と電力会社に資源を売ったりしていました。後にその会社を退職し、知人の紹介によりバイオベンチャーの会社に入ることになりました。そこで海外事業部長を5年ほど任され、2011年の9月に退職し、現在の事業に取り掛かりました。

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伊藤宏治社長

伊藤社長の学生生活についてお聞かせいただけますか。

高校までは野球をしていました。ほとんど自分の時間というのは作れない状況で約3年間野球に打ち込んでいました。1年の浪人生活を経て大学に入学し、最初の一年間は糸が切れたタコのように遊んでいました。そのような日々を1年も過ごしていると自然と反省をするようになってきました。「このまま行ったら自分はダメな人間になってしまうのではないか。」と。2年生に進級した際に体育会系の新聞を出版しているサークルを訪ね、体育会でなるべく強い部を教えてほしいと頼み込みました。候補として挙げてくれた体育会系の部活の中から一つに絞り入部しました。そこでは週6日拘束されましたが、その生活を卒業まで続けました。それに加え、バイトも同時にしていたためとても忙しかったです。人間はある程度ルーティーンを決めて日々動かないとダメになるのかもしれないですね。私が2年生で強い体育会に入部したのもそのルーティーンを多少強引にでもつけたかったのかもしれないです。

ベトナムでの事業内容についてお聞かせいただけますか。

自動車の買い取りと販売、自動車の修理、コンサル業務、自動車部品の輸入、保険商品(自動車保険等)など自動車に付随する業務を幅広く展開しております。また、自動車の輸入に関連するライセンスも取得したため、いずれは新車や中古車を輸入して販売する事業も展開していきたいです。

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Auto Avenue TOKYO店内の様子

ベトナム進出をされた理由は何ですか

理由はとても単純明快で、日本の会長がベトナムで自動車販売の事業を始めると決断したからです。会長が知人達と視察旅行でベトナムを訪れた際にバイクだけが波のようにあふれていた光景を目のあたりにして「これ以上のビジネスチャンスはない」と思ったそうです。その大量のバイクがいずれ車に代わる、モータリゼーションが到来すると見越してベトナム進出の決意を固めたのでしょう。2011年当時自分自身も会長からの依頼でベトナム他ASEAN諸国を視察しましたが、他の国に比べてベトナムは新規事業を開始するにはベストのタイミングだと感じました。(他の国々は、自動車の小売りが進出するには遅すぎるか早すぎるでした。)

ベトナムでの事業展開で一番大変だったことは何ですか。

本音を言うのであれば、全部ですね。ベトナム国内では日本ほどレギュレーションがしっかりしていません。その都度その都度の判断が求められ、ロジカルに物事を考えてビジネスを展開していかないと外してしまうことがよくあります。変化球が多いといえばいいのでしょうか。そのため先方の求めるままに従うと損をしてしまったり、時には法律に反してしまう可能性も出てきます。また、もう一つ苦労している点でいうと、お客様のニーズが日本以上に多様化しているということもあります。また当社の領域も多岐にわたるため一つの判断でどこまでいけるかというのも未知な部分があります。そのため一辺倒のマーケティングでは太刀打ちできません。来店していただくお客様を十分理解した上でニーズや好みを細かく分析し、その都度情報を更新していく必要があります。加えてベトナムはSNSやスマートフォンが広く普及し、それらを駆使しているためか情報量が溢れており、とても欲求が高いというのも特徴です。そんなお客様に向けてどのような商品、サービスを提供していけばよいか日々試行錯誤を続ける日々です。

また、これは個人的な意見ですが、ベトナムでビジネスを展開していたり、街で見かける西洋人の数が少ないと感じています。彼らは物事をロジカルかつリーズナブルに考えるためか、契約が比較的簡単に成り立ちます。またその契約ではルールのようなものが存在したうえでそれをもとに行われることが多いです。これは私が貿易会社での勤務時代に西洋人とともに仕事をしていた経験を踏まえてそう思っています。しかし、ベトナムではルール(レギュレーション)がないわけではないのですが、ざるのようになっていて、とても不明瞭なことがあります。それが仕事をしていくうえである種の障壁になったりすることがあります。

また車を販売するにあたってベトナムの中古車市場がグレーであるのもこの話が関係してくると思います。修復歴やグレードを偽ったり、中古車それぞれの価格が表記されておらず交渉制で中古車を販売している業者がほとんどで、消費者から高い金額を請求したり嘘の情報を提供することもあるのが実情です。加えてほとんどの中古車販売店は自社整備工場を保有していないため、購入後のアフターサービスが期待できるようなところはありません。

仕事をしていたうえで楽しかったことは何ですか。

初めてのお客様が来店してくださったときですかね。当社はベトナムに来た時、土台がゼロからのスタートだったのでとても大変でした。何もない環境にポンっと身を置かれて事業を立ち上げたのですが、当時ベトナムには友人や悩みを相談できる相手もいませんでしたので、心細さは常にありました。また、トヨタなどの自動車会社のディーラーであれば、その会社の看板を背負わせてくれる訳ですが、当社はそれができません。そのような環境の中で初めてのお客様が来店したときは感無量でした。

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Auto Avenue TOKYO 店内からコックピットを望む

ベトナムでの生活や仕事で感じられることはありますか?

日本や西洋の国では感じられないエネルギーを感じられますね。その中でビジネスをすると自分が考えている以上のことが出てくることが多いです。そのような前に前に進んでいくような経験ができると、新しいアイディアやプランを提示された場合「それはできない。」と拒否するようなことは少なくなる、と考えています。どんなことにも挑戦でき、まだ前例のないことにも抵抗感なく打ち込める環境がベトナムにはあります。そこでの経験を原体験として持っている人は物事に対して限定的な考えを排除し、まだ実現できていないことが実現する可能性への探求心が自ずと芽生えてくるような気がします。

今後Auto Avenue Tokyoをどのように発展させていきたいですか

自動車産業はとても裾野が広いのが特徴です。縦展開と横展開の両方の発展を常に考えています。具体的に横展開というのは地域、縦展開は基本的に自動車に携わる業務のことを言います。縦展開の展望としては、今後ベトナム国内にて車両の調達をするだけではなく、当社自動車や自動車関連部品の輸入ライセンスも取得したため、ゆくゆくは新車や中古車を海外から輸入して販売するという計画もあります。ただし輸入関税が高いというのも相まって直ぐの実現は難しいというのが現状です。

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Auto Avenue TOKYO 整備工場の様子

これから海外へ出ようと考えている方に向けてアドバイスをお願いします。

よく自分探しのために海外へ出られる方がいると思います。その考えに反対するわけではありませんが、何も目的を持たないで海外に出るのではなく、何か1つでもいいからやりたいこと、達成したいことを心に決めたうえで渡航することをお勧めします。そうしないとブレが生じてしまうこともあると思います。自分探しで外に出るというのも一つの動機としてあると思いますが、ある程度の目的意識は常に持っているべきだと思います。

日本では日本人の感覚をもって行動します。空気を読んだり、それは海外でも同じで、現地人には現地人なりのやり方、考え方を基盤にして行動します。日本で息苦しく感じてしまうのは日本人は同じ感性、言語や文化の下で生きているからではないでしょうか。しいて言うと、海外で仕事をやるということは、こうなっているというやり方が存在しません。常に物事をロジカルに考えて、それが理屈に合っているかの照合をしていかなければなりません。それができる人は、どんな国、世界でも生きていける強い人になれる と考えています。もしあなたがある日突然アフリカに派遣されたとしても、日本とアフリカは文化や行動規範などあらゆる面で異なりはするものの、「これをやったらどうなるか」とか、「これをしたら自分にどう影響するか」と考えることができるようになり、自分の立場が立脚していきます。それにより世界中で通用するビジネスパーソンになれる、と考えています。

もう一つお伝えしたいのが、日本でのベースの仕事は世界に通用するということです。自分勝手に行動するのではなく、きちんと連携を取って仕事をする、報告・連絡・相談(いわゆるホウレンソウ)を徹底する、といった日本人の働き方は世界で確実に生かすことができます。集団への帰属感を常に意識することを徹底させ、中での情報伝達を円滑にさせる、個人単位では約束や期日を守る、といったような日本特有ともいえる働き方を身につけることはとても大切であり、海外へ出たときに何よりも強い武器になると考えています。

インタビューを終えて

今回は実際に自動車販売店舗でインタビューをさせていただきました。お会いしたスタッフの方々は皆さん上手な日本語で「いらっしゃいませ。」と挨拶していたことがとても印象的でした。インタビューを終えて伊藤社長ご自身の強いビジョンと、豊富な海外経験を積んだうえで語るお話はとても興味深く、印象深いものでした。

お忙しい中お時間を割いていただいた伊藤さんに感謝申し上げます。

取材日;12月17日 山田 隆太(JAC Recruitment Vietnam インターンシップ生)


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そんな思いからはじまった、2社によるコラボレーション企画です。
JACベトナムに来たインターン大学生たちが、ベトナムで働く日本人インタビューをさせていただきました。
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